パソコンの仕様表を見ると、様々な技術用語が使われています。いずれの用語も性能を把握する上で覚えておくと便利なのは確かです。
パソコンの仕様表を見ると、様々な技術用語が使われています。いずれの用語も性能を把握する上で覚えておくと便利なのは確かです。
PCスペックを読むための基礎知識として、CPU、メモリー、ストレージなど分野別にPCに使われる技術用語を解説します。
【TDP】冷却機構を設計する際の指標で、単位はW(ワット)CPUの仕様のひとつです。TDPは物体の熱量が最大であるものとして設計するため消費電力そのものではないが、実使用上では最大消費電力と考えて構わない値です。
【動作周波数】動作周波数は回路を動かすタイミングで、同一設計なら高ければ高いほど内部動作は速くなります。ただし、CPUに比べメモリーの動作が遅いため、内部だけ速くても命令やデータの供給が途絶え性能は上がらなくなります。一般的には動作周波数が高いと消費電力と発熱は多くなります。
【1次キャッシュ】キャッシュとは一時的にデータを溜めておく領域のことで、1次キャッシュは演算器に最も近くて速いが容量は小さく、メインメモリーのアクセスの遅さとCPU内部の演算器の速さの違いを制御するために設けられています。容量に関してはあまり気にしなくていいレベルです。
【2次キャッシュ】2次キャッシュは1次キャッシュよりは容量が大きな領域です。各コアが共有していた旧世代もありましたが、Core iシリーズやAMD製CPUでは各コアで一定の容量を備えています。また、同じシリーズなら容量は同じで、異なる設計のCPUではデータの保持の仕方が異なります。よって、こちらもあまり気にしなくていいレベルです。
【3次キャッシュ】全コアで共有する大容量領域で、同シリーズでキャッシュ容量の差があれば性能に影響がでます。ただし、影響度合は処理するものにより異なるため、キャッシュ容量が多いからといって常に高速とは限りません。しかしながら、容量が少ないよりは多い方がベストです。
【HyperThreading】IntelのCore iシリーズやAtomが実装していています。物理的には1個のコアをソフトウエア上で2個あるように見せるためのものです。そもそもCPU内部の演算器の待ち時間を埋めるための機能なので、効率の高い処理だと効果が無く、逆に遅くなります。よって、無いよりはあっ方が良いレベルです。
【ターボ機能】使われているコア数が少ない時に、アクティブなコアの動作周波数を設定されている段階に自動的に引き上げる機能です。複数のコアを使わないアプリケーションで効果がそれなりに有ります。Intelでは『Intel Turbo Boost』、AMDでは『Turbo CORE』。
【拡張命令】複数のデータを一度にまとめて計算する目的のもので、最近ではキャッシュの制御や暗号化の高速化などが拡張されている。古くはCMOV、MMX、SSE、今はAVXが導入されています。
【システムバス】CPUとチップセット間を結ぶ転送路のことで、FSBやQPI、DMIといったインターフェースがあり、プロセッサバスとも呼ばれています。
【OPI】CPUとチップセットやCPU同士を接続するIntel独自のインターフェイスのことで、規格では6.4GHz相当や4.8GHz相当でデータ転送するが、表記される場合は6.4GT/s、4.8GT/sと転送回数で示すことが多い。一般的な使い方では、動作周波数の違いはアプリケーションレベルの性能に現れない。
【DMI】MCH(ノースブリッジ)チップセットとICH(サウスブリッジ)チップセットを接続するためのPCI-ExpressベースのIntel独自インターフェイスのことで、915チップセット以降で使われ、現在のDMI3.0では8GB/sとなりCPUとPCH(チップセット)の接続に使われています。
【マイクロアーキテクチャー】CPU内部の命令や処理、流れを表す言葉で、性能に大きくかかわってきます。Intelでは、Core/Atom/SandyBridge/Haswell/Skylakeなど。AMDでは、 K10/Bobcat/Bulldozer/Piledriver/Steamroller/Zenなど。
【製造プロセス】CPUを構成する回路の製造上の世代目安。Intelは22nm、14nmなど、AMDは32nm、28nmなど、この数値は値が小さいほど新しく、同一設計なら半導体本体(ダイ)が小さくなります。